| 拡散強調像について | |
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拡散強調像は、水の拡散を画像化する技術で水の拡散の方向性や程度を画像化することができます。 |
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水の拡散に制限のない空間が存在していたとします。(上段) その場合は、水の動きに制限がないのでインクを水の中に一滴落とした場合には自由に散らばっていきます。 次に線維にかこまれた拡散に制限のある空間が存在していたとします。(下段) その場合には拡散に制限を受けるため、インクを水の中に一滴落とした場合、長細い楕円のような散らばり方をします。 このような水分子のおかれた環境による水の拡散の違いを画像化するのが拡散強調像なのです。 |
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磁場の均一性はMRIの中で重要な要素です。 ここでラーモアの式の復習です。 水素原子のスピンの回転周波数(ν)は磁場強度(B0)と比例します。 磁場が均一な環境(左図上段)では、スピンの回転周波数はほぼ同じ回転です(右図上段)。 しかし、傾斜磁場に代表されるような磁場が不均一な環境では、ラーモアの式に従い、スピンの回転周波数にはばらつきがみられ、磁場が弱い環境では、スピンはやや遅く、磁場が相対的に強い環境では、やや速く回転しています(右図下段)。 |
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今度はたくさんの水分子の場合で考えてみます。 図の一番下の段に注目してください。 Dephaseの傾斜磁場がかかった場合、赤いスピンは弱い磁場のもとで比較的ゆっくり、青いスピンは強い磁場もとで、比較的速く回転しています。 一旦、DephaseがOffになり、Rephaseの傾斜磁場がかかる時間までの間に水分子間に拡散による移動がおきたと仮定します。 下段中央の図で黄色い四角で囲ってある水分子には移動がおきています。 Rephase の磁場がかかると水分子の移動がない場合は位相が元に戻るのですが、水分子の拡散がある場合は、Rephaseの際に反対の極性、同じ強さの磁場環境にならないため、元の位相に戻りません。MRIでは横緩和のベクトルの総和が大きいほど、強い信号を発する性質があります。(すなわちベクトルの総和の大きさと信号強度が比例する) しかし、位相が戻らないスピンが存在し、ベクトルの総和が相対的に減少すると結果的に信号強度の低下になります。 つまり、水の拡散がたくさん起こっていると、信号強度の低下になります。 |
さらに下段の中央の黄色で囲まれた一番右端の青いスピンに注目してください。ここでスピンの移動が起こっていますが、スピンが元の位相に戻るため、信号強度低下はありません。 このように拡散強調像では、あらかじめ設定しておいた方向のみの拡散を測定できることがわかります。 |
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では、得られた拡散の方向性、拡散の程度をどのように表現したらよいのでしょうか? 左図はの2つの形はXYZ方向のベクトルのサイズはすべて同じですが、実際は異なった形 すなわち 拡散の程度と方向性を持っています。 これは、方向性のある楕円体を表現するためにはXYZの軸だけではなく、他にも方向性のパラメータが必要であるということを示しています。 ちなみに左図のように長細い楕円を示す拡散を異方性拡散(Anisotropic diffusion)、右図のような均一な方向、均一な量で散らばる拡散を等方性拡散(Isotropic diffusion ) と呼びます。 |
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これで、拡散の特徴を示す楕円体の形を決定することができました。は計算に数学の行列式を応用しているので拡散テンソル画像(Diffusion Tensor Imaging) と呼ばれます。 一番長いベクトルの軸 λ1 を神経線維が走行する方向として仮定します。 |
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FA= |
そこで、楕円体の細長さを1つの数として数値化する数学的な手法としてFractional
Anisotorpy (以下 FA)があります。 |
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下段左はT1強調像です。放線冠のレベルの白質はほぼ均一に見えます。 一目でわかるようにFAとベクトルの方向を考慮して表現したのが、下段右端のカラーマップです。カラーマップでは、FA値が低いところが暗く、FA値が高い白質では、明るく表示されます。 DTIでひとつ気をつけなくてはならない点があります。DTIで計測できるピクセルのサイズは1~5mmで、実際の神経線維のサイズは、μmの単位です。DTIで計測できるのはあくまでもピクセル内の平均的な値であるということです。 しかし、このピクセルのサイズは、灰白質白質の区別、それから、マクロ解剖における白質線維の描出には十分なサイズであるとのこれまで多くの研究結果が得られています。 |
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では、カラーマップから一歩進んで、神経線維をつなげて表示するFiber trackingについて説明します。 左図は神経線維の方向を示すと定義された楕円の長軸方向のベクトルV1のベクトル表示です。右側はその拡大図の一例です。 赤矢印は各ピクセルのV1です。 今日、臨床的によく用いられているのが、FACT法(Fiber
Assignment by Continuous Tracking) です。
FACT法は、各ピクセルのV1を延長してつなげる手法です。 しかし、伸ばした線には終点が必要です。Trackingを停止する基準を2つ設定しました。 |
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2)Tracking停止の基準のその2は角度です。このように隣り合うピクセルとピクセルのベクトルの角度の急な変化でTrackingが停止としました。急激に曲がっているということはそのピクセル内で他の神経線維と交差している もしくは、テンソルのモデルで神経線維が正しく表現されていないということを示唆するため、Trackingを停止する基準になります。 |
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実際の DTI studio における神経線維の描出方法ですが、まず始めに脳全体のピクセルのFiber Trackingが行われ、神経線維のすべての経路を計算します。 その後、目的とする神経線維を描出するために 関心領域 (Region of Interest :ROI )を設定して、神経線維を編集していかなくてはなりません。この編集作業には、線維が解剖学的にどの場所からどの場所に走行しているのかという解剖学的な知識をあらかじめ必要とします。
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次に神経線維の描出、編集の一例を挙げます。 下縦束という後頭葉~側頭葉に走行する連合線維ですが、 まず始めに後頭葉に大きめに1つ目の関心領域(ROI)を設定します。左が冠状断像で、右が矢状断像です。このROIをとおる線維が、すべて表示されています。 さらに下縦束が通る側頭葉に2つ目のROIを設定し、 1つ目と2つ目のROIの両方を通過する線維のみを表示させると下縦束が描出できます。このようにして、解剖学的な知識を前提にしてFiber trackingによる神経線維の描出を行いました |
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参考文献 1)Mori S, (Review) 2)Mori S, van Zijl P, Tracking (NMR Biomed) 3)Mori S, Wakana S, MRI atlas of (book) 4)Mori S, (古いReview)5) 5)応用自在Mori 6)Fibe tracking original Mori
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updated
2006/04/25 |